愛のカタチ


お互い納得しあった関係。

そう割り切っていた。

だから、誰にも言えない。

だって軽蔑されるに決まっている。

理解される訳もないだろう。

会社の上司との淫らな関係。

その言葉で片付けられるだろう。

軽く服を身に付け部屋を出ようとする私の名前を彼が呼ぶ。

「美波(みなみ)。」

「何ですか?」

彼に触れられた肌が、まだ熱い。

「俺も一緒に入ろうかな。」

「止めて下さいよ、冗談は。」

「秒殺かよ。チエッ。」

会社では見せない顔。

肩書きは支店長で30歳なのに、二人きりでは幼い顔を見せる人。

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