愛のカタチ
「でも最近、地区のチームに入ったんだ。
学生の時みたく激しくないけど、いろんな年代の人達と楽しくやってるよ。運動不足解消程度にね。
そうだ、美波もおいでよ。それなりに楽しめるよ。」
あの頃の野口先輩に顔になった。
「私、何年もボールも触っていないし…。自信ないです。」
野口先輩の長い腕が伸びてきて、私の頭をぽんぽんと優しく撫でる。
「!!」
あの頃のように。
こうやって、いつも部活で私を励ましてくれていた。
私の方が励まさなきゃいけない、マネジャーの立場だったのに。
「そうだ、携帯教えてよ。今度、飲みに行こう。」
「はい!」
私の返事を聞いて、野口先輩はポロシャツの胸ポケットから名刺を取り出した。