愛のカタチ


寛志と野口先輩は同じ歳。

バレー部では、副キャプテンだった。

私の片思いだと思っていたが、寛志の卒業式の時に想いを告げられた。

それから、ずっと一緒に季節を過ごした。

そして寛志が就職してから半年で海外勤務の辞令が下りた。

私も短大を辞め、両親を説得し『語学留学』の名目で一緒にイタリアへ旅立った。

順調にいくと思っていた。

異国の地でも一緒なら大丈夫と。

でも、歯車は狂っていた。

通訳を通しての仕事、伝わらない言葉。

寛志は追い詰められていた。

そして年上の、青い瞳の女性を連れて来た。

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