愛のカタチ
『彼女のお腹に俺の子供がいるんだ』
今でも覚えている。
その女性が憐れむような視線を向けながら、優越感も同時に向けていた。
あなたの負けよ、とその青い瞳は言っていた。
そして私はすぐに帰国した。
だからかもしれない。
瀬戸さんと出会って、こんな関係が始まった。
愛がなければ、傷つく事もない。
お互い合理的で、楽な関係。
束縛もなければ、嫉妬する事もない。
将来もないけれど、身体は満たされた。