愛のカタチ


言葉の続きを言う事なく、野口先輩は窓の外を眺め出した。

片思いの相手の事、考えているのかな?

でも夢があるっていいな。

「カメラマンとして成功する事が野口先輩の夢なんですね。」

ぽつりと呟いた言葉に、笑顔を向けてくれた。

「そうだよ。
それが俺の夢。
美波はなにかある、将来の夢?」

自分で振っておいて、その答えはすぐに出てはこない。

「……昔は結婚する事が夢でした。」

そう、寛志と。

あの頃は、寛志と結婚する事に憧れていた。

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