愛のカタチ
「は――。」
「美波っ。」
私を呼ぶ声。
「今、帰って来たんだ。」
聞いてもいないのに。
「こんな時間まで、お疲れ様です。」
支店長会議の後は、何かと雑務が多くて暫く残業が続く事は解っていた。
だから、今日の私の予定は想定内だった。
「何してたの??」
「もう寝ようかと…。」
「早っ!!マジで?!」
「はいっ…。」
テンポ良く会話が続く。
「………寂しくない?」
えっ?!
「ははっ。いやっ、美波ひとりで寂しくないかな、と思って。」
「………。」
答えはわからずにいた。
確かにひとりで時間を余していたが、そこに『寂しい』感情はあったのだろうか??