愛のカタチ
一度帰るのが面倒だから、待ち合わせの時間には早いが会社から真っ直ぐに向かった。
お店に入ると、確か『ケンジさん』と呼ばれていた人が、覚えていてくれたのか前回と同じ席に案内してくれた。
「待ち合わせですか?」
「はい。」
きっとまだ30代の『ケンジさん』は黒髪を立て真っ白のワイシャツで清潔感漂う。
お先にビールでも飲みたかったが、野口先輩を待つ事にした。
オレンジジュースを飲みながら、ぼーっとしていると携帯が鳴った。
「はい。」
相手は…
「どこにいるの?」
もしもしとかお疲れじゃなくて、第一声がこれ?!
きっと、流れる音楽からそう聞いてきたのだろう。