愛のカタチ
また何だか変なテンションの瀬戸さん。
「…友達とご飯を…。待ち合わせしてて。」
瀬戸さんの質問に答えないと、私の問いは聞き流される。
「ふうん、この前のデカい男(やつ)と?」
随分こだわりどころですね。
デカい男、って。
確かに野口先輩、190センチの身長の持ち主だけど。
「そうです…けど。
瀬戸さん、今日は取り引き先との接待では?」
これから行くんだ、と一言。
何故か流れる沈黙。
忙しく動き回るお店のケンジさんが、チラチラと視線を向ける。
「またデート??」
「違います。」
「ふう~ん。」
今度は長い『ふう~ん』だ。