愛のカタチ


また何だか変なテンションの瀬戸さん。

「…友達とご飯を…。待ち合わせしてて。」

瀬戸さんの質問に答えないと、私の問いは聞き流される。

「ふうん、この前のデカい男(やつ)と?」

随分こだわりどころですね。

デカい男、って。

確かに野口先輩、190センチの身長の持ち主だけど。

「そうです…けど。
瀬戸さん、今日は取り引き先との接待では?」

これから行くんだ、と一言。

何故か流れる沈黙。

忙しく動き回るお店のケンジさんが、チラチラと視線を向ける。

「またデート??」

「違います。」

「ふう~ん。」

今度は長い『ふう~ん』だ。

< 62 / 96 >

この作品をシェア

pagetop