愛のカタチ


それ以上何も言わず、また連絡すると言い残し電話は切れた。

…何だか感じ悪い。

小さく溜め息をついて、オレンジジュースを飲み込んだ。

「ごめん!!待たせた??」

まだ時間前なのに、私に謝る野口先輩が現れた。

大きな体を窮屈そうにイスに預ける。

今日は車なんだ、とウーロン茶をケンジさんに注文した。

「早速だけど。」

野口先輩が持つと小さく見える鞄から、ヒラリと紙を取り出した。

『バレーボールを一緒に楽しみませんか!!』

そんな大きな見出しが目に飛び込んできた。

『初心者大歓迎』
『子連れでもOKです』
『親切に指導します』

「人数がいないみたいで、是非って言ってたよ。」

ポテトを頬張りながら、嬉しそうに言う。

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