愛のカタチ
車は部屋の手前の公園で止った。
「…??」
正面を見つめたまま、野口先輩は動かない。
そしてゆっくり口を開く。
「俺達が再会したの、偶然じゃないと思うんだ。」
静かに、優しい声で。
「美波が寛志を好きな事は知ってた。
だから、自分の気持ちは誰にも言わなかった。」
私を見つめる、穏やかな瞳。
「好きだった。
美波の事が。」
「……。」
ドキドキが止まらない。
「思い出したよ。あの時の気持ち。
それでまた、美波に恋したみたい。」
知らなかった、野口先輩の気持ち…。
「今、彼氏いないなら、俺と付き合わない、かな??」
その想いは真っ直ぐに、静かに私に流れる。