愛のカタチ
笑い声が夜に飲み込まれ、フゥっと瀬戸さんが息を吐く。
そして、私の左手の下に右手を入れ指の間から男らしいゴツゴツとした指を絡ます。
彼を見ても、彼は私を見ていない。
ゆっくりとまた街の灯へ私も顔を向けた。
「俺、美波に嘘ついてた。」
視線があった瞬間、また逸らす。
意味が解らないけど、気持ちは正直なのか…胸が鼓動を早める。
「これから、俺………。」
一言一言ゆっくりと。
「その嘘を謝って、告白するけど」
静かに。
「駄目だったらちゃんと言って。
駄目だったら、俺を振って。」
瀬戸さんの瞳には、私だけ。
「美波…愛してるよ。」