愛のカタチ


そして桜の季節に、恒例らしい『お花見』が行われた。

夜桜の下で、お酒を飲むのは楽しく時間はすぐに流れる。

「飲んでる?」

例の女子社員二人に挟まれていたはずの瀬戸支店長が私の隣りに腰を下ろした。

「はい!飲んでいます!」

実際、男性社員に飲まされる形でかなりの量を飲んでいた。

「凄いですよ支店長。金沢(かなざわ)さんお酒強いっす!」

「へえ、そうなんだ。」

意地悪な笑顔を浮かべ、瀬戸支店長は私のグラスにビールを注いだ。

お酒の強さには自信があった。

「ありがとうございます!!」

「金沢さん、酔っちゃったら俺が送るからね~。」

誰かの声に瀬戸支店長が笑った。

「そういう事は支店長の俺の許可がいるからな~。
俺の許可取ってからにしろよ。」

その発言にまたどっと笑いが起こった。

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