えんざくら
- 第二章 - 幼なじみ
この日から私は、
桜の木の場所に行っては
毎日毎日お願いしていた。
こんなことをしても
そう簡単に会える訳が無いのは知ってる。
でも私は、ほんの少しでも
可能性があると信じて
毎日欠かさずお願いしている。
周りからしたら「馬鹿馬鹿しい」
って思われるかもしれないけど
私はそんなこと気にしない。
優也くんに会えるまで
ずっと続けるって決めたんだから。
そんな毎日を続けて早4年が経ち、
現在私は中学1年生。
5クラスある中で、私は3組である。
部活は作ることが好きだから
家庭科部で活動中。
私は学校で『遅刻の常連者』として
有名になっているらしい。
そんなことで有名になられても
嬉しくもなんとも無いんだけど…。
そして今日も案の定遅刻。
どうして私って、早く起きれないんだろ。
食パンをくわえながら玄関を飛び出す、
遅刻のお約束パターンで急いで学校へと向かう。
そして決まって本鈴が鳴り終えて
10分後に学校に到着。
話し声がしない物静かな廊下を歩くのも
すっかり慣れてしまった。
ガラガラガラッ
「お、遅れてすみません、今日も寝坊しちゃって。」
教室の戸を引き、いつもの台詞を
いつも通り申し訳なく言う。
「はぁ……またお前か桃村…。今は許されても、社会じゃとっくにクビだからなぁ!!まったく。」
と、呆れがちに言う担任の先生。
先生、そうやって人に向かって指さしながら
お説教しないで下さいよ…。
うぅ…みんな笑ってるし。