あいつが死んだ……

 あたしの名前は栗山茜。一応、女だ。

 徹とは、幼稚園の頃からの大親友だった。もう一人の幼なじみ、剣之介と三人で、いつでもどこでも一緒に遊んでいた。

あたしの性格は良く言えば活発、悪く言えば男女。

 そんな性格だからか、あたしは自然と男の中に混じって遊んでいる事が多かった。

 おままごとなんてつまらない。それよりもみんなとわいわいサッカーしたり、ソフトボールをしたり、その方があたしには楽しくて、しっくり来た。

中でも、徹と剣之介とはいわゆる腐れ縁というヤツで、幼稚園から高校まで、同じクラスになる事も多く、自然と一緒にいる事が多かった。

 あたしは二人共大好きだった。

優しくて、リーダーシップがあって、人を引き付ける魅力のある徹には尊敬の念を抱いてたし、明るくていつもみんなを笑顔にする剣之介と一緒にいると、いつも楽しい気分になれるのだった。

だけど、いつからだろうか。二人の事を男として意識し始めてしまったのは。


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