あいつが死んだ……
あたしは、女だ。性格はいつまでも男まさりだったけど、体の方は正直に女としての成長を果たした。
胸は膨らみ、手足はほっそりとなり、近所のおばさんに「あら。綺麗になったわね」なんて言われるあたしの見た目はまさしく女の子だった。
全然嬉しくなかった。出来るのなら男に生まれたかった。
男に生まれて、いつまでも徹達と馬鹿な事やって一緒に遊んでいたかった。
だけど、あたしの体と周りの反応はそれを許さなかった。
徹達と一緒に遊んでいても、いつからか遠慮がちになったり、いらない気遣いも増えたり、二人はあたしを女として扱うようになった。
二人が意識してしまうから、あたしの方も変に意識してしまったりして、あたしは女なんだと、徹達とは違うんだと認識させられてしまう。
それでもあたしは、徹の事も剣之介の事もただの友達だと思っていた。あの時までは。