あいつが死んだ……

 そんないつもとは違う雰囲気の中、自由行動の時間にはその二人と回った。

 あたし真ん中、徹は右側、剣之介は左側。

いつもと変わらぬポジションで、配られた地図を手にして、見知らぬ土地を回るあたし達。

「どこに行こっか」とあたしが言って、「そうだなぁ、ここなんか良くない?」と目的地を決める徹に、「賛成! 兄貴がここオススメって言ってたぜ」と、楽しそうにはしゃぐ剣之介。

 三人でいる時間はとても居心地が良くて、ホッとして、やっぱり男だとか女だとか関係なく、あたしは二人が好きなんだなって。

 そう思っていた。

 思おうとしていた。

だけど、修学旅行の最後の日、あたしのその考えは無理やり方向転換させられる事になる。

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