あいつが死んだ……
あいつは、私と遊ぶのが好きだった。
日曜日には、近くの土手でよくキャッチボールなんかをしたもんだ。
私がちょっと力を入れて投げてやったりすると、「痛い」なんて言ってちょっと涙目になりながら、それでも「早くお父さんみたいに速く投げたいなぁ」なんて言っていた。
日曜日に仕事が入ってしまった時なんかは、見るからにふてくされたような顔をして「来週は絶対いてね」なんて言ってたっけ。
今、思えばあの頃が一番幸せだったように思う。