あいつが死んだ……
それからも、徹はすくすくと成長していた。
高校に進学した時には、いつの間にか私の身長を越えていて、嬉しさと寂しさとが混じり合って、ちょっと感慨に耽ったりもしたものだ。
受験も難なく受かり、ケン坊達をはじめたくさんの友達達にも囲まれて、勉学的にも人格的にも頼もしく思えた。
子供の頃からある、人に対する優しさもそのまま持ち続け、担任の加藤先生にも「素晴らしい息子さんですね」と褒められた。
もはや、さすが私の息子だと言うよりも、私なんかの息子である事が申し訳ないくらいに、立派な息子に育っていた。
たまにしか家に顔を出さない私に対しても「いつも仕事大変だね」と声を掛けてくれた。
家事の手伝いをしてくれたり、時々友達を家に呼んだりして、妻の退屈を取り払ってくれたり、助けになってくれたりと、どこに出ても恥ずかしくない、本当に非常に出来た子だった。