ホワイト・メモリー
出る杭
夜の二十三時を回ったというのに、今夜の都庁周辺はいつもより人が多い。
どこかぎこちない紺のスーツ姿の若者を囲んで、毛の薄くなったおっさんや明るめの色のスーツを着こなしたお局風のOLが、大きな声で喋りながら新宿駅に向かって歩いている。
ついこの間まで、ベンチャー企業という言葉に代表されるように若くして会社の社長になったとかいう記事が週刊誌を賑わせていたものだが、流行の服や単発芸人と一緒で、最近では物言う若者の姿は影を潜めているようだ。
せいぜい先輩の斜め後ろ四十五度をぺこぺこしながらくっ付いて歩くのが若者の伝統的行事なのである。
どこかぎこちない紺のスーツ姿の若者を囲んで、毛の薄くなったおっさんや明るめの色のスーツを着こなしたお局風のOLが、大きな声で喋りながら新宿駅に向かって歩いている。
ついこの間まで、ベンチャー企業という言葉に代表されるように若くして会社の社長になったとかいう記事が週刊誌を賑わせていたものだが、流行の服や単発芸人と一緒で、最近では物言う若者の姿は影を潜めているようだ。
せいぜい先輩の斜め後ろ四十五度をぺこぺこしながらくっ付いて歩くのが若者の伝統的行事なのである。