ホワイト・メモリー

「しかし情報を処理するのは機械ばかりではありません。意思を持つ人間も情報を処理する要素となります」

「機械と人間の違いはなんですか」と横峰。

「人間はストレスを感じる生き物であるということです。きちんとやらなければならないという責任感。面倒くさいという怠惰な気持ち。不正に業績を良く見せようとする悪意。これらは全て、なんらかのストレスによって生じる人間の感情です。機械はこのような感情を持ちません」

「そろそろまとめに入ろか」

「わかりました。一人で伝言ゲームをやれば確実に正確性を担保できるはずです。しかし、情報を一人で抱え込むと人間はストレスを感じて、思いもよらない間違いを犯すことがあります。つまり、結果的に正確性を保証できないということです。そこで、必要最低限の職務分掌を行い、個人の抱えるストレスを分散することが必要になるのです」

「で、結局、伝言ゲームは何人でやればええんや？」