恋愛★ビート
「で、倖菜にお願いがあるんだ!!」
急に改まった太陽にびっくりしたあたしは
へ?と、間抜けな返事を返した。
「倖菜・・・
軽音部に入部してくれないか!?」
軽音部部室には、その太陽の声だけが残った。
「ぇ・・・ええええええええ!!!!??
あたしが軽音部に!!?
無理無理!!ギターとかできないし、歌も下手だし!」
本当にそうだった。
ギターなんて触ったこともないし、
歌も人前で歌えるほど上手くなんかない。
「倖菜に頼みたい楽器は・・・
キーボードなんだけど、ピアノとかできる?」
「キーボードは・・
本当最近までピアノ習ってたけど・・・。」
「じゃぁ、キーボード任せてもいいか!!!??」
ふと太陽の目をみると、
キラキラと星のように輝いていた。
他のメンバーからもお願いとの声が上がった。
「実は・・・
恥ずかしい話、夏休みまでに部員が
合わせて5人以上いないと廃部にされんだ。
先輩達が作ってくれた軽音部を廃部にしたくないし、
俺らにとってギターは相棒なんだよ。
…そのためにも入部してくんないかな…?」
あたしは、この時決めたんだ。