お嬢様の苦悩。
様々な感情にも決して濁ることのない美しい瞳。

――その瞳に、恵理夜は微笑んだ。


羨望も孤独も、静かに恵理夜の胸に内在しているが、それに支配されることはもうない、と確信できた。

その場を去ろうと踵を返す。


そして、その肩に手が乗せられた。
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