シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
私は環架と母親の眠る棺の小窓を開けた。

安らかに、笑顔とは言えないけど、口角を上げて、悔いのなさそうな母親。

環架の横顔を見る。

その時、私の頭に温かい手が乗った。



「…何だ、修太君…」



てっきり颯太だと思った。

修太君は「“何だ”って酷くね?」と、環架に同情を求めた。



「酷いけど、普通このタイミングは、彼氏だと思っちゃうよ」



環架は颯太の隣に座り、何かを見せてる。

私が修太君と近付くと、携帯の裏に貼られたプリクラ。



「彼氏か?」



修太君が訊ねると、環架は「うん。今、高1」と言う。
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