シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】



――― ルカに伝えたくて ―――


 貴方は今日も寂しそうに笑う。

 私はわかるわよ?母親だもの。

 16年間、貴方を見て来た。
我が子の心を見抜けなくて、母親が務まるわけない。

 お向かいさんのソウタ君――
笑顔が素敵で、見た目の不良とは違い、喧嘩もあまりしないし、いつも貴方を守ってくれる、素敵な子よね。

 ソウタ君が貴方を好きだなんて、鈍感、天然な子にわかる日が来るかしら。

 私が教えてあげないとダメかしら…。
 でもやっぱり、自分でわかって貰わないとダメよね。

 ルカ…貴方は笑ってなさい。
 ルカ…貴方は幸せになれる。

 例え涙を流す日が来たとしてもね、逃げないの。
 現実を見つめ、前を見なさい。

 貴方には神様が付いてるわよ。
 怖いモノなんて、何もないわ。

 ソウタ君と、笑い合って、前を向きなさい。


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