シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
ゆっこは「颯太が行くならどこでも行くよ!」と叫んだ。

私は自分で言ってて泣きたくなる気持ちを抑えて笑った。

―――午後の授業も終え、私は颯太と家に帰る。

着替えてチャペルに行くと、シスター高部が1人、傘下さんから集った商品に値段を付けて居た。



「シスター高部、ただいま」



「あ、お帰りなさい。颯太君もごめんなさいね」



シスター高部は40歳。

同じ体勢は辛かったのか、椅子から立ち上がり、「ちょっとだけ2人でよろしくね」と、腰を押さえながら、裏口から出て行く。

私は赤ペンと値札用のシールを持ち、商品を見て回る。
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