シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
それでも結局、私が颯太と居るのは、颯太が好きだから。

大好きなんだよ。

颯太は……ゆっこを見てるけど。

ゆっこ――
常代雪子ートコシロユキコー。

私の高校に入った時に出来た親友で、颯太の彼女。

何で、颯太をゆっこに紹介したんだろうって、何度か思った。

でも、“汝、人を憎まず”との教えがあるから、私はゆっこと颯太を祝福して、見守ってる。

本当は、癇癪(かんしゃく)を起こして、奪いたくもなるよ。

元はと言えば、私が紹介したからなのにね…。



「待たせた」



私がしゃがみ込み、虚しく小さな雪だるまを作ってると、ようやく颯太が登場。
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