シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】



静寂なチャペル――。

私はただ、祈ってた。

さっき、颯太に助けられて眠った私は、気付いたら自室に居た。

足は自然とここへと向いてしまったんだ。



「私は……罰当たりな人間です。
親友の目の前で、颯太にあんな選択を、させてしまいました…」



私は胸元に光る十字架を握り締めた。

辛い…苦しい…
私の心には、たくさんの気持ちが溢れてしまう。

祭壇の前に、朝まで祈ってた私に、「おはよう」と声を掛ける人。

シスター高部。

シスター高部は私を椅子に座らせると、掃除を始めた。

掃除をし始めたとすれば、今は9時を回っただろう。
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