シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
でも、“それじゃあダメなんだよ”言うように、身動きもしてない私の胸元で、十字架が揺れた。

私は奮い立たされるように、窓を開けた。

目の前には颯太の部屋の窓。

星たちが見守る中、私は携帯を持ち、颯太に電話をした。



『……はい……』



「ごめん…寝てた?」



通話口から聞こえた寝惚けた声。

颯太は『うん……まぁ良いけど』と、欠伸をした。

任務だったのだろうか。

タイミングを間違えた。



「…ごめんね。明日にするよ」



私は電話を切ろうとした。



『良いよ。話あったんだろ…言えよ』



私は眠そうな声にまでときめく。

今まで何度だって聞いたのに…。
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