シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
“図星”だと言わんばかりの颯太に、ゆっこが「最低なのは颯太だよ!!」と言う。

否定しない、出来ない颯太。



「…颯太は最低なんかじゃない」



代わりとは言えないけど、私がゆっこに言い返した。



「颯太は…気持ちはどうあれ、ゆっこを大切にしてたよ」



“最低”なんて、言わせない。

ゆっこは、颯太を何を見てたんだろうか。

本当は好きだった筈なのに強がって、馬鹿だよ。

馬鹿だよ…ゆっこ。



「……だとしても、琉架に言われたくはなかったよ……」



ーードンッ

ゆっこは私にわざとぶつかりながら教室を出て行く。
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