シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
尻餅を突く私。

颯太は追い掛けるんじゃないかと思い、俯いた私。



「……たく……」



だけど、颯太はため息を溢した後、私に手を差し出した。



「颯太…?」



「ほら、立つぞ」



重なった手…私は強く握った。

引っ張られるように立つと、颯太は私の頬を撫でる。



「俺が雪子を追うと思っただろ」



「ま、まさか!;;」



「嘘を吐くなよ(笑)」



颯太は私の頭を撫でてから、自分の席に座った。

気まずそうに、教室に入って来た担任。

ゆっこは、教室に戻って来る気配はなし。

放課後も、私たちの前に姿を現さなかった。




< 95 / 193 >

この作品をシェア

pagetop