高熱にベッド<短&番外>
Ep5.高熱にベッド
『那子ー』
今朝、永樹さんからのコール音で目が覚めて。
電話に出てみると、ゆるさは健在するものの、いつもより鼻声の永樹さんの声に聞こえてきた。
「もしかして……」
『うん、やらかしちゃった』
スンと鼻をすする音も聞こえて。
風邪をひいたんだな、といよいよ理解が固まる。
『しんどいー』
「看病に来いってことですね」
『分かっちゃった?』
やけに甘え声だと思ったらそのせいか。
仕方がない。
まぁ今日はもともと永樹さんの家に行くつもりだったし。
「直ぐに行くんで寝てて下さいね?」
『うーい』
どうせ永樹さんの冷蔵庫にはほとんど食材は入っていないから、行く前にスーパーにでも寄っていこう。
それにしても風邪ってどの程度なんだろ…。
マスクとか持ってった方がいいのかな…。