高熱にベッド<短&番外>
汗を拭き終わって、服を着せてあげる。
先程より辛そうな永樹さんは、ぐったりとして目を瞑っている。
……何度くらいあるんだろう。
まだ熱をはかっていなかった事を思い出して、体温計をとってきて永樹さんの脇に挟む。
暫く待って、ピピピと鳴ったので、表示された数字を読むと………
「さ、39度!?」
かなりの高熱。
辛そうなわけだ。
消化に良いと思って作った、野菜入りのお粥。
湯気は消えて、冷めてしまっている。
って言っても、とても食べられそうな状況じゃないし……。
「何か飲みます?」
だけどこんなに汗をかいているのに水分を摂らないままでは、いけない。
あ……でもそれより薬…?
そうこう迷ってる内に、永樹さんはどんどん辛そうなっていって。
『やば……吐、…く』
「え…!?わわわっ!」
口を押さえた永樹さん。
私は慌てて空のスーパーの袋を持ってきて、口の前に差し出した。
『うっ……』
『……もう…本当ごめ…』
顔色の良くない永樹さんは弱々しく。
吐いた事に対して申し訳なさそうに謝る。
でも、不思議と全然気持ち悪くなんてなくて。
きっと永樹さんのだからで。
それほどまでに愛してしまっている事を知った。