高熱にベッド<短&番外>
もっと
って…………!
「私は嫌がってるんですよ…?」
手錠までつけられて、こんなの私の意志はまるで無視だ。
『ふぅん…』
私の睨みをさらりと交わす永樹さん。
そして、トン、と私の顔の横に手をついて……
「……っっ」
私の唇を舐める。
『…嫌がってるように見えない』
「……」
言葉につまるのは、図星だからなんかじゃない…!
ただ、ただ……!
「ぐ………」
『ほら、言い返せない』
勝ち誇って笑う永樹さんの言う通り、言葉が見つからない。
『もっとして欲しいんでしょ…?』
甘い囁きは、私を導いて………
『素直になりなよ』
「……っ」
惑わされた私は、
間近にあった永樹さんの唇に、自分の唇を寄せ、軽く口付けた。
『………』
私のまさかの行動に、煽った本人も仰天のようで。
私の唇が触れて、離れた後、無反応だった。
でも直ぐに状況を理解したみたいで。
精一杯の行動に、赤面する私を見て、クスリと笑みを零す。
『堪んないね』
私がさっき触れたばかりの唇を舐めて、私の頬を撫でた。