高熱にベッド<短&番外>


「っ…」

手が触れて、目を瞑ってしまう。

触れる手が、存在を増して、そこにしか集中が行かない。


『ビクッてしたね』

私の反応を愉快そうに楽しむ。


『そんなに怯えないで』

「だって…、手錠するし…っ、いっぱいキスするし…っ、ななな舐めるし………!」


怯えるに決まってる。

只でさえ永樹さんは大人で…。
私が知らない世界も知ってる筈で……。


『那子だってキスしたじゃん』

「あれは……!
なんていうか、子供のキスで…」

『ふーん…、じゃあ大人のキスってどんなの?』


私を見つめる目で分かる。

確信犯だ。

私をいたぶって追い詰めて、堪能するんだ。


「それは……永樹さんがするみたいな…っ」

『俺分かんない』


んなわけあるかい!!!!


「さっき散々してたじゃないですか……!!」

『さぁ』


フッと息を漏らす永樹さんは、とぼけてみせる。


『…で、そのキスしたら那子はどうなるの?』


ぐっと体を寄せて、甘く問い掛ける。


『恥ずかしくて言えない?』





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