高熱にベッド<短&番外>
Ep1.手錠はおスキ?
「こんにちは」
今日は、永樹さんの家に遊びに来た。
チャイムを鳴らすと出てきたのは寝起き気味の永樹さんで。
「…えっ?ちょ…!」
『…………』
しかし、何も喋らない永樹さんは、私の腕を掴んで部屋の中へと連れる。
「どうしたんですか…!?」
私は靴を慌てて脱ぐ。
可笑しいのはいつもの事だけど…。
余りに突拍子が無さすぎて、混乱する。
私の呼び掛けにも反応する様子はない。
そして永樹さんは私の腕を掴んだまま、机の上にあった、何か銀色の物を手に取り、私をベッドの傍まで連れていって座らせた。
「なにす……!」
『黙って』
やっと喋った言葉がこれで。
そうかと思えば、永樹さんは私の両腕を片手でまとめ、ベッドの策にくっつけた。
「ちょっ!嫌…」
そして片手で持っていた銀色の物をそこに近づけ………
ジャキンッ
「は……?」
『オッケー』
ソレが独特の音を立てた瞬間、私の自由が奪われた。
「…………」
両手が、動かない。
よく見てみると……
「て…じょ……う?」
『うん』
銀色の物とは手錠で。
ソレによって繋がれる私とベッド。
「どういうつもりですか……!」