高熱にベッド<短&番外>



『電話、鳴ってない?』

「あ、本当だ」

唯がブレザーのポケットを指差す。


携帯を開くと、一さんからの着信で。


「もしもし」

『もしもし那子ちゃん?』

「はい、どうかしました?」


かけてきたからには何か用事があるのだろう。


『あのさ、永樹となんかあった?』

「へ!?」


それがまさか今丁度話していた内容だったら焦りもする。


「あの――――」


私は唯に話した様に一さんにも禁欲について話した。


『あぁ…だからか…。


いや、さっきさ、あいつと同じ講義でさ…なんかやけに殺気だってたからさ』



さ、殺気だってた…!?
でも、私の前ではそんな様子は一度も……。


『まーた永樹がやりそうな事だなぁ』

笑いながら言う一さんに疑問を持つ。


「禁欲が…ですか?」


禁欲が永樹さんがやりそうな事だなんて可笑しい。
一さんだって永樹さんの変態は知ってるはずなのに。


『禁欲がって言うか……まぁ後々分かるんじゃないかな』


意味あり気な間も、言葉も、気になって仕方がない。

なのに一さをから教えてくれないらしく、結局あしらわれて電話を切られてしまった。



< 28 / 118 >

この作品をシェア

pagetop