高熱にベッド<短&番外>
電話を閉じて、ため息を漏らす。
「ちゅーしたいな…」
『…………』
「…………」
え?今、私、何て言った?
「……うわああ!今の無し!今の無し!!!!」
顔を真っ赤にして唯の肩を必死で掴む。
あり得ない、あり得ないあり得ない!
『そっかあ、そっか那子……』
「そんな目で見ないで!違うの!違うのーっっ!」
何で!?
あんな事言うつもりじゃなかったのに。
恥ずかしくて死にそう。
永樹さんが言うなら未だしも私は言ったら駄目だって!
「……忘れて!!」
『うん、無理』
笑顔で即答。
『今日永樹さんと合うの?』
「学校終わったら永樹さんの家行く…」
『ふ〜ん、へ〜』
「…っ何よ…!!」
わざとらしい笑顔で私をじっくり見る唯。
でも、そんな事より、
言った言葉が本当だって自分では実は分かっていて。
漏れだしてしまったのが恥ずかしくて、同時に押さえきれない欲求がある事に気付いてしまった。