高熱にベッド<短&番外>
「とびきり甘く、ね?」
暗い部屋に響く甘美な誘惑は、私を導いて。
私と正面になるように膝に跨って座っていた永樹さんの胸に手を添え、唇を運ぶ。
ちゅ、
柔らかく触れ合う唇同士。
もどかしいようなゆっくりな動作でも、落ち着きを取り戻した私には精一杯で。
『さっきはあんなに積極的だったのに』
「喋らないで下さい…!」
未だ触れるだけのキス。
永樹さんから仕掛けてくる事は無い。
『焦らしてるの?いいね』
「へんっ…たい…!」
私が追い詰められてるこの状況で微笑を浮かべる永樹さん。
それに加えて変態丸出し。
『ほら、ベロは?』
「………っっ!」
先程の自分の行動が信じられない。
こんなに恥ずかしい行為を……!!
『もっとなんでしょ?那子がしないとしないよ、俺』
私は恐る恐る舌を出す。
全身は震えて。
恥ずかしさでわけが分からなくなって、目には涙が溜まる。
もう、死にそう…
激しくもないのに、胸が激しく動いて呼吸がし辛くて、息が切れる。
「もう…いじめないで…っ…」