高熱にベッド<短&番外>


『何したい?』

「この格好じゃ何も出来ません!」


頭を掻くことさえ、容易に出来ないこの状況で、何がしたい、だなんて質問…間違ってる。

端から聞く気が無ければ、問題無いけど。


『出来るよ。俺に触られるとか、触って貰うとか、触らせるとか』

「私の意志が触らせる事について強くなっていってる意味が分かりません」

しかも結局全部一緒だし…!

『どの道那子は何にも出来ないけどね』

やっぱり。
この変態が聞く耳なんて持ってくれるわけがなかった。


つまり、全ては永樹さんの意志通りに進む。


『あんま引っ張ったら後つくよ?』

「…じゃあ、外して…っ下さい!」

ガチャッ!ガチャッ!


それでも私はなんとか抵抗しようとして、力一杯腕を自分側に引っ張る。


『那子、…擦れてる』

ボソリと呟いた永樹さんの声は、近くで聞こえた。

そして、暖かい吐息がかかるのは………手首だ。


『赤くなっちゃってる…』

「……やっ…!」

赤い、手錠と擦れる事によって出来た線状の傷に、舌を這わす永樹さん。


『痛いのが良いの?』

「…違います……っ!!!!」




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