高熱にベッド<短&番外>
痛いのが良い、だなんてそんな事があるわけない。
でも、擦れた所はジンジンと痛い。
「私が痛がってるの見て、良心とか痛まないんですか…っ?」
普通なら、痛がってるのを可哀想だと思って、止めてくれる所だ。
思いやりの気持ちって、大事ですよ永樹さん。
しかし、直ぐに永樹さんが普通じゃない事を思い出す。
『ん?なんかね、…興奮するかな』
「……!!」
腕の擦れた所を、優しく撫でながら目を細める永樹さん。
『もっと、俺のせいで感じてよ』
もう、駄目だ。
捕われたら手遅れ。
後はもう、彼の思うまま。
『取り敢えず、触って良い?』
「嫌って言っても止めないくせに…!」
語尾のハテナは、全く意味を果たしていない。
選択肢なんて存在しない。
あるのは、Yesのみで。
『那子って良い匂いするよね』
永樹さんの髪の毛が、首に触れて、くすぐったい。
手錠のせいで、抵抗なんて出来る分けなく。
『それって…俺に食べられたいから?』
Yesさえも聞いてくれない。