高熱にベッド<短&番外>
ちょっと待とう。
うん、待とう。
落ち着くんだ俺。
「………」
『きいてんれすかぁ〜?』
いやいや…。
無邪気に笑ってるっていうのに、言ってる事と放つ色気はもう悶絶モノで。
必死に本能を押さえ込む俺を弄ぶように誘う。
でもそれは那子が酔ってるせい。俺が酔わせてしまったせい。
ここで俺が苦しむのは自業自得なんだ。
『ぶー…、邪魔だから脱がしてくらさいー』
待ちくたびれたらしい那子は、子供らしく頬を膨らす。
そして俺の手を掴み、自分の胸元に導いた。
俺を介抱するために真人に呼ばれたんだろう那子は、お風呂にまだ入っていなかったらしくて、制服のままで。
俺の手はシャツから覗いている肌に触れる。
『脱がせてくらさいよぉ…えーきさん』
手首を捕まれたままの俺の手。
その手を那子はゆっくりと下に滑らせて、第3ボタンに引っ掛けた。
白に赤が染みた肌は熱く。
力なくベッドに体重を預けて。
お酒を飲ます工程で暴れた那子の着衣は乱れていて。
皺をつくるスカート。
体に沿うシャツ。
全てが官能的で。
酷く艶めかしい。
熱い、熱い。
体が熱い。
酔いはさめた筈なのに。
こんなの、拷問だ。