高熱にベッド<短&番外>


いつも那子は無意識に俺を翻弄するとんでもない子なんだけど。

今日の那子は無意識にも、翻弄するにも、程がある。


『好き……』


恥じらいなく抱きついてきたりするのは、お酒の力で心が解放されているから。


それなのに、


『ちゅうしてくらさい…』


俺をこんなにも乱すのはあんまりだ。


「さっきしたでしょ」

言葉の冷静さが、かえって自分の余裕のなさを浮き彫りにする。


『むぅ〜…いいれすー…



自分れしますもんれぇ…っ』


『那子…っ!?』


情けなくも床に押し倒された俺は、あっけなく那子に唇を奪われる。


俺に馬乗りになる那子

荒い息


視覚的にも聴覚的にも攻められれば、いつもの俺からは想像できない程、那子の思うままになってしまう。



お酒のせいでとうに理性など消え去った那子。


真っ赤な顔はお酒のせいか行為のせいか。


何れにせよ、止む気配のないその行為は、着実に俺の理性を奪っていった。





< 66 / 118 >

この作品をシェア

pagetop