高熱にベッド<短&番外>


何やかんやいって、ちゃっかり自分からも絡ませてやる。



隣の部屋にいる彼らが、早くこの事態に気付いて抑制してくれないと、手遅れになるかもしれない。


理性のたかが切れた瞬間、押さえ込んだ本能は瞬く間に巨大化し、那子の酔いと呼応して、次の段階にきっと、進んでしまうに違いない。




止めて欲しいけど



止めて欲しくない



相反する欲求が、俺の頭を蝕む。








でも、本当に那子が大切なら、





人に願ってばかりでは駄目で。


俺は自分でコントロールしなくちゃいけなくて。
那子を、自分を止めなくちゃ駄目で。

『ん…!?』

俺は、那子の体を押し返した。

「那子、ストップ。分かる?ストップ」


見栄を張ってるのかもしれない。
勇気が無い事を都合の良い言葉で正当化しているだけかもしれない。


でも、今はそれが俺の精一杯。


だからせめて、那子を傷つける事だけはしないように。


『…なんれぇ』

しかし泣き出してしまう那子。
俺に拒絶された事が悲しいらしい。




俺は、力の限り那子を抱き締めた。




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