高熱にベッド<短&番外>
『……ひっく』
すると、途端に泣きじゃくる那子。
下着の胸の感触が、時たま俺を誘惑したけど、グッと堪えてただただ那子を抱き締める。
「どったの?なんか悲しい?」
『…うっうっ…』
頭を撫でてやって、頭を後ろに少し引いて目線を合わせる。
目から溢れだす涙に、那子自身混乱してるようで。
俺の問いに頭を横に降って、それでも尚赤子のように泣きじゃくる。
片手は頭を撫でて、もう一方は抱き締めているので、両手の塞がってる俺は、涙を舌ですくってやる。
すると擽ったそうに片目を瞑って、そのまま両目を閉じたかと思うと、ゆっくり俺に寄りかかった。
「よしよし、もう寝なさい」
急に大人しくなった那子は、きっと疲れたんだろう。
寝てしまったようで寄りかかる体が重みを増す。
暴れて、泣き付かれて眠ってしまうなんて、まるで赤子だ。
『え…きしゃ…』
「……あーもう可愛いなあ」
少しだけなら。
なんて甘い考えの俺は、那子の未だ熱の残る頬に軽くキスをした。
「おやすみ」