高熱にベッド<短&番外>
『よく我慢した』
那子をベッドに寝かせて布団かけた時、部屋に微かに光が入っているのに気付いたのと同時に聞こえた一の声。
ドアの方を振り替えるとこぞって中を覗くあいつら。
『今回ばかりは褒めてやる』
横から顔を出す真人は分かりきっているように笑う。
『那子寝ちゃったんですね』
唯ちゃんは那子が大人しく寝ているのを安心しているようで。
『………えと、あーと』
そして自分も何か言わなければいけないのか、とあたふたする竜。
『おお大人の世界だ…なっ…』
結局絞りだしたコメントはワケの分からない言葉で。
でも、竜の顔が赤いと言うことは、
「ずっと見てたでしょ」
多分俺がキスされてる所でも見たんだろうな。
だから大人、ね。
全くどんだけ純なんだ。
『まぁ那子ちゃんも寝たみたいだし、もう俺等帰っていいか?結構な時間だし』
「あ、あぁ。ごめんね。ありがと助かった」
真人が腕時計を見ながらそう言ったから、ベッドの脇から立ち上がって玄関まで見送る事に。
『あ、唯ちゃん送るよ』
『えっ!?…あ、ありがとうございます…!』
玄関で交わされたこの会話は、那子に報告すべきかな?
竜も、やるじゃん。