高熱にベッド<短&番外>


可愛らしく、ちゅ、ちゅ、と口を付けるだけ。


息苦しくもならない、キスに私は気を抜いていた。


…こんなのなら良いかな


なんて。

しかし、次の瞬間、その気持ちは吹っ飛ぶ。


『そろそろ良い?』

「え…?」

唇を数ミリ離して、そこで喋りだす永樹さん。

「――…んっ」

私の返事なんて待たずに、永樹さんは突如またキスをした。

でも、今度は、さっきみたいな可愛らしいキスではなく、荒々しく、熱い物が口内に入り込む。


相変わらず手錠で繋がれていて、息苦しくて止めて欲しくなったって、突き飛ばす事も出来ない。

「やっ…」

おまけに肩は痛いくらいに両手でがっしり掴まれていて、体をよじる事も出来ない。



ちゅく、と音がする度に、かぁっと顔が熱くなる。


息……出来なっ…!


「…永…っ」

少し、唇が離れて、私は酸素を吸い込むと同時に、「もう無理」だと限界を伝えるために永樹さんの名前を呼ぼうとした。


が、直ぐに


『まだだよ』




それは再開されて。


私の目尻には余りの苦しさに涙が溜まっていく。





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