高熱にベッド<短&番外>


別にキスくらい、今更照れる必要は無いのに。

俺がそんな要求をした途端、折角上がってきた布団に再び潜り込んでしまった那子。


「なんで逃げんのー」

『だって…、そんな…』

「昨日はちゅうちゅう言ってたよ?」


布団に潜り込んだ那子が、下から抜け出そうとどんどん潜っていく。


「俺から逃げられるとでも思ったの?」


でも俺が易々と逃げられるわけもなく。
那子の体を両足で挟んで動きを封じる。

『…!!』


中でバタバタと暴れる那子。
それを押さえようとして、俺はもっと力をこめるから、余計に密着する体。


『………………あっつい!!』


そして遂に耐えきれなくなった那子が、布団を掴んで脇に投げ捨てた。


『あ…………っ』


自分の失態に気付いた那子は慌てて布団を取ろうとする。

「もういいじゃん」


そんな那子の脇腹辺りを掴んで抱き上げ、顔を同じ位置に持ってくる。


「ちゅうしたいんでしょ?」

『した…く…っ!………なくはない……ですけど…』

「はっきり言って」

『……っ…したいです…』






恥ずかしいのは分かるけど、昨日くらい素直になってくれると、俺はもっと嬉しいな。

あ…、でもあれは俺が持たないからもう勘弁。












『永…っん…』


二日酔いにはとびきり甘いキスを。




「危険なクスリ」End.
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