高熱にベッド<短&番外>
Ep4.嫉妬とキス
ある日の街中デート中の事。
『ねぇキスしていい?』
横断歩道で止まっていたら、いきなりキス宣言をされた。
「は…?」
勿論私は固まってしまって。
間抜けな返事を返してしまう。
「あのー…人いますよ?いっぱい…」
『だからこそでしょ』
しれっと言う永樹さんは、何も企んでいなさそうで企んでる、でもそう見えて意外と何も企んでなんかいないように見える……
と、本当に掴み所が無くて未だに本心が分からない事も多い。
「恥ずかしいし嫌です…!」
『えーー』
子供のように口を尖らせる永樹さん。
『今したい気分だったのに』
なんでいきなり発情したのか…。
わけが分からない。
「この後家でするつもりのくせに…!」
『当然でしょ』
今日はこの後、永樹さんの家で私が手料理を振る舞う予定。
料理をする背後に永樹さんが来るのが予想出来てしまう。
きっと後ろから肩に手をかけて、近づく顔に料理になんて集中出来なくて―――――
「って何考えてんの私…っっ」
『あー那子がえっちな事考えてるー』
「おっきい声で言わないで下さいよーっ!」