草食男子に恋してる!【続編】
女の子が重さに耐え切れずに一度立ち止まると、
秀くんが、片手で教材を持ち直して、彼女の持っていた教材の何冊かを取って自分の持分に重ねた。
彼女がありがとうってお礼を言ってまた三人歩き出した。
「間宮やさしー。
ほんとよくできたぼっちゃんだね」
美優が関心したように言った。
敏也くんがこそっと、「俺も本くらい運ぶし」と言ったのだが、
美優に華麗にスルーされた。
何だか秀くんと出会った時のことを思いだす。
出会った時も、私が授業で使う道具を運んでる時に、階段で落っことしちゃって、それで秀くんが助けてくれたんだよね。
私が困ってたから。
あの時、私は秀くんを好きになった。
当たり前だけど、誰の事も同じように助けるんだよね。
秀くんは、私だけじゃなくて、誰にだって優しいんだもん。