ヒトノモノ
この頃から、啓介の言葉は「好きだ」から「愛してる」に変わっていった。
あたしは、それがとても嬉しくて・・・
でも、それと同時にあたしの中で抱いてはいけない感情が燻りだした。
・・・奥さん・・・どんな人だろう・・・
・・・啓介は奥さんとも身体の関係をもっているのか・・・
・・・あたしに会えない土日は家出何してるの・・・
京子が前に言っていた言葉を思い出す。
《優子って、独占欲強そうだから不倫に向かない》
その通りだった。
あたしは、啓介を独占したくなっていた。
あたしだけを見ていて欲しい。
あたしだけを抱いていて欲しい。
あたしだけを愛して欲しい。
あたしの傍にだけ居て欲しい。
毎日あたしの元にだけ帰って来て欲しい・・・・
こんなお願いを啓介に言ったら・・・
叶えてくれる??
・・・って、そんなの重たいよね・・・
でもね。
もう、限界かも・・・
あたし、もう啓介の全てが欲しくてたまらないの・・・